トランジスタ交換&電池増設

Exspeed Racingの「トランジスタ交換&電池増設」について。

トランジスタ交換の前に電池の交換をおこないます。
メーカー仕様は単三×4本ですが、軽量化を目指し単四×4本仕様に変更します。
使用する電池はミニッツで有名なティームオリオン 750HVです。
※750HVは旧モデルで、現在は800HVとなっています。

このままでは大きさが異なり使用できないので「電池変換アダプター」を使用します。

重量チェック
サンヨー製 エネループ単三×4本=104g
(オリオン750HV+変換アダプター)×4本=60g(電池=48g 変換アダプター=12g)

さらにトランジスタ交換前に電圧測定。
トランジスタを交換することで、どのように電圧が変化するか調査します。

・トランジスタ交換前 電池=エネループ(単三)×4本
バッテリーボックスの電圧=5.69V(1本当たりの平均電圧1.42V)
ステアリングの電圧(右折時)=5.55V
駆動モーターの電圧(前進時)=5.26V(1本当たりの平均電圧1.31V)

・トランジスタ交換前 電池=オリオン750HV(単四)×4本
バッテリーボックスの電圧=5.41V(1本当たりの平均電圧1.35V)
ステアリングの電圧(右折時)=5.30V
駆動モーターの電圧(前進時)=4.99V(1本当たりの平均電圧1.24V)

※全て無負荷状態で測定。
エネループ&オリオン750HVの両方とも、充電の熱が完全に冷めるまで放置してから測定。

前後駆動用トランジスタ調査。
奥の横一列に並んでいるトランジスタが前後駆動トランジスタです。
左から
TR09 2SA1273 IC=2A ECB PNP 前進用
TR11 2SC3205       ECB NPN 後進用
TR10 2SA1273 IC=2A ECB PNP 後進用
TR12 2SC3205      ECB NPN 前進用

今回、改造用に使用するトランジスタは当HP初公開のトランジスタとなります。
そして、IC歴代最高のトランジスタです。新時代の幕開けですよ。
驚愕する準備は出来ていますか?
では紹介します。そのトランジスタは、

サンヨー製 2SB1232/2SD1842 IC=40A」です。
今まで愛用してた「NEC製 2SA1744/2SC4552 IC=15A」
と比較すると、ICは約3倍です!
「これならタミヤのウルトラダッシュモーターも楽勝で廻せる!?」
これを発見した時は笑いが止まりませんでした。即買いです。
ネットで購入するなら「サトー電気」をおすすめします。品数豊富ですよ〜。

プラズマダッシュモーターは?」とツッコミを入れる方が居るかもしれませんが、
プラズマダッシュモーターは、
・ウルトラダッシュモーターよりモーター缶が少し大きい。
・ウルトラダッシュモーターよりトルクが劣る。
・ウルトラダッシュモーターと回転数がほぼ同じなのに価格が高い。
などの理由で、今回は見送りました。

増設用の「単四用電池ボックス」を用意。
基板+(赤)の端子の上に、トランジスタが被さる形となるので、
先に増設用電池ボックスの配線を取り付けます。

トランジスタ取り付け完了!
画像上部に映っている小さなトランジスタは純正トランジスタです。
画像に映っているモーターは130クラスモーターです。
交換したトランジスタがいかに大きいか良く分かると思います。

ちなみに茶色の配線はアンテナ線です。
赤&黒の配線は増設用電池ボックスの配線です。


どつぼ嵌りました!
画像の通り、2SB1232/2SD1842を用いて施工しました。
そして動作確認おこないました。
1秒位は前進しますが、その後は動かなくなります。
休憩を取ると、また1秒位前進しますが結局止まります。
後進&ステアリングは正常に機能しています。
そのため、前進用トランジスタを2SA1744/2SC4552に交換しました。
ですが、全く動きません。
純正トランジスタのPDFファイルを信じず、
基板のパターンを見て、ベース・コレクタ・エミッタの足の確認をしました。
コレクターはモーターに、エミッタは電池ボックスに、向かっているのを確認。
なので、残りの足がベースという結論を出しました。

PNP・NPNの取り付け位置が逆になっていないかも確認。
2SA1273の位置に2SB1232、2SC3205の位置に2SD1842を確認。
現状、間違っていると思われる箇所は見つかりません。
「なぜ動かん!?分からん!!」
ひとまず、純正トランジスタに戻してみることにしました。
結果、純正トランジスタでも動きせんでした。
それぞれの足の電圧を調べてみることにしました。

正常な後進用トランジスタの場合。
電池=エネループ
エミッタ同士 5.23V
2SCエミッタ・2SAベース 4.70V
2SCベース・2SAエミッタ 4.72V
2SCベース・2SAベース 4.09V
前進時 0.00V
後進時 4.75V

異常な前進用トランジスタの場合。
電池=エネループ
エミッタ同士 5.21V
2SCエミッタ・2SAベース 4.68V
2SCベース・2SAエミッタ 4.71V
2SCベース・2SAベース 3.01V
前進時 0.00V
後進時 4.76V

この調査で分かったこと。
電圧を調べる時、片方にベースがあると約0.5V電圧が下がる。
両方ともベースの場合は1.1V下がる。
で、問題発生中の前進用トランジスタの場合は2.2V下がっていました。

もう完全に意味不明です。
経験上で述べるならトランジスタが故障してると思いますが、
3回交換して全てダメとも考えにくい、だが基板がダメとはもっと考えにくい。
なので、トランジスタ買い直しという案を選択しました。
トランジスタ到着まで1週間ほど待ち、トランジスタ交換再実行。

交換完了!動作確認。
「動くじゃん!」直りました。
「今までのトランジスタ交換は何だっただろう・・・。」

トランジスタ交換はドツボに嵌ると本当に苦労します。
原因は分かりにくいし、トランジスタ交換回数に比例して基板が痛む可能性はあるし、
予定は1週間〜2週間遅れるし、何よりトラブってる状況にストレス「大」です!
ですが問題が解決すると、ストレスに比例して達成感もあります。
そして知識も向上するので悪いことばかりではありません。
とは言え、トラブルは避けたいです!

次はステアリングに抵抗を入れます。
2セル分電力が増しているため、このままではサーボギヤが欠ける可能性があります。
そのため、抵抗を入れて電力を抑えます。抵抗は10オームにしました。
本当はもっと抵抗値の高い物を入れたかったのですが、手持ちは10オームしかありませんでしたので、これで様子を見ます。

電圧チェック。
トランジスタ交換前と比較しました。
・トランジスタ交換後 電池=オリオンHV750×6本
バッテリーボックスの電圧=8.32V(1本当たりの平均電圧1.38V)
ステアリングの電圧(右折時)=7.47V
駆動モーターの電圧(前進時)=7.65V(1本当たりの平均電圧1.27V)
特に目立った変化はありませんでした。

シャーシ上部から撮影。
基板上部カバーの横からトランジスタが飛び出ていますが、
トランジスタを横に寝かせることにより、シャーシとの一体感を演出できました。
増設電池ボックスは、後でエンジンルームに取り付ける予定なので今は仮固定。

次は速度測定。
「12キロ」でした。
電池の本数が1.5倍になったので、速度も約1.5倍になりました。

これでトランジスタ交換作業は終了です。
次なるモーター交換への最高のベース作りが完成しました。
モーター交換で(IC=40A&6セル仕様)どこまで速くなるか楽しみです。

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